狩人の夜
ブログの閲覧数が伸びないと最近不満を言っていたら、プロフィール欄が寂しいのがダメだと指摘されました。
顔写真がある方がアピール力があると言われたので、おそるおそる小さく写真を載せてみました。
こんな写真しかありません。
しかもカットの仕方もわからなかったので、中途半端に縦長なのが気になります。
再チャレンジ?
大丈夫なんでしょうか。
様子を見て不安になったら、すぐに削除しようと思っています。
そういえば、昨日初めてブログランキングというものを見てみました。
結果、875位 (昨日:817位) / 6865人中。
低!
4年もブログやってて、この不甲斐なさはどうしたものか。
もうちょい頑張らないと、やりがいがない……
やっぱ、マイナーものに絞って変なブログに徹するか、それとも正統派路線で行くか。
的を絞りきれてないのが、まずいのかな(-。-)
まあ、気ままな感じで細々と続いていきそうな気配です。
The Night of the Hunter 1955年 チャールズ・ロートン
怪演俳優、チャールズ・ロートンの撮った唯一の映画。
ということで、これは見逃せないと思い鑑賞。
ディヴィス・グラッブという作家の原作ものです。
「羊の皮を被った偽の伝道師を見分けよ。悪い木にいい実は実らない。逆もしかり。いい木に悪い実は実らない。その果実で彼らの真偽を確かめるのだ。」
物語を象徴する聖書の言葉の引用から始まる本作。
人間の業、信仰心、欲望、あらゆる要素が詰め込まれた意欲作です。
舞台は1930年代、大恐慌の最中。
冒頭、女性の死体を子供たちが発見する場面。
この時点でうむを言わせず、物語は強引に観客を引きこみます。
主人公の少年ジョンの父親は無職。
彼は2人の幼い子供のためと、強盗殺人を犯す。
そして、ジョンは目の前で父が警察に連行されるところを目撃する。
父は絞首刑となった。
「どんなことがあっても、妹のパールを守り抜け。金のありかは母親にも言うな。」
父の残した言葉を胸に刻んだジョンは、父との約束を生涯守ると誓う。
そこに現れた伝道師を名乗るパウエルという男。
彼は父親の最期を獄中で看取ったと言い、心配で家族に会いに来たという。
男の両手の指には「love」と「hate」の入れ墨があった。
突如、未亡人になったジョンの母、ウィラは男手を求めていた。
女だけではこの先、2人の子供を抱えてやっていけない。
切羽詰まった彼女は、母親の後押しで出会ってすぐのパウエルと再婚する。
ジョンは幼いながら、パウエルが父の残した金を狙っていることに気づいていた。
しかし母は息子のジョンより夫の言葉を信じる。
ウィラはパウエルの巧みな話術によって洗脳され、彼の言うことを聞くことが自らを正しい道に導くのだと思い込んでしまっていた。
パウエルの言葉はすべて神の言葉なのだと。
やがて男の本性が見えた時には、もう遅く…
女は弱いですね。
心の隙につけこまれていいように利用され、利用価値がなくなれば、あっさり捨てられる。
彼女は夫の死によって正常な判断ができなくなり、寂しさを埋めるために心のよりどころを求めた結果、とんでもない悪人を引き寄せてしまった。
彼女は正直、パウエルでなくても男なら誰でもいいという心境だったのかもしれません。
そして、その後のジョンの逃走劇が壮絶。
パウエルに執念深く追われながらも、健気に幼い妹を守り抜きます。
命がけで父との約束であるお金を守り続けたのに、パウエルが目の前で警察に取り押さえられるのを見た途端、彼の脳裏には同じように父が目の前で拘束された記憶が甦ってしまい…
人間の心とは、こういうものなのか。
あれほど憎んだ男なのに、理屈では説明できない情が沸いてくる。
それにしても何の罪もない幼い子供に、これほど過酷な試練を与えるとは神は残酷である。
キリスト教世界の神の沈黙に対する問いかけ、それでも信仰を捨てなければ人は必ず救われる。
そういった思想を反映した物語なのかもしれません。
話変わって、この映画の冒頭にリリアン・ギッシュが出てきたので、すごく驚きました。
サイレント時代の大物女優ではないか!
といっても、彼女の若いころの主演作は「散り行く花」しか観ていません…
が、生涯女優だったのか「許されざる者」でも、オードリー・ヘップバーンの母親役で出演していました。
そして、いつも私が気にする映画のタイトルですが、観る前は「なんだ、このタイトルは…」と思ったのですが、なるほど。後半を観て納得。
リリアン・ギッシュがいいとこどりです。
と言うと失礼かな……
そして、この映画の中で一番気になったことは、ロバート・ミッチャムの演技が大げさすぎるところ。
子供たちを追う地下室での演技は、ちょっと……
やりすぎ!
舞台俳優か!
わざとそういう演出?
たぶん、わざとだろうけれども!
そして、憎たらしすぎる!
胡散臭すぎる!(笑)
あ、でもこの演技はものすごく評価を得ているようです。
確かにこんなにも憎たらしく、かつ胡散臭く見えるのは、彼のすばらしい演技力があってこそのものでしょう。
彼はこの後主演した「恐怖の岬」でも同じように執念深いストーカーを演じています。
そっちの方はそんなにくどい演技だとは思わなかったが…
しかしジョンにしてもレイチェルにしても、どんな状況に追い込まれても、限界まで自ら銃を持ち戦い、決してギリギリまで警察に頼らないのはアメリカならではの感覚。
誰にも頼れないから、自分の身は自分で守る。
ジョンは幼いながらに、これをよく理解している。
最後にジョンは住む家を見つける訳ですが、この先彼らはどうなっていくのかもわからない。
救いのある結末ではありますが、決して後味はよくありません。
冷たい映画です。
ロバート・ミッチャムの大げさすぎる演技だけは難ですが、チャールズ・ロートンが俳優業を超えて、わざわざ作った映画ということで、観た甲斐がありました。
いい映画です。
私が宗教絡みの映画が好きだからかもしれません。
ロバート・ミッチャムのイメージがダウンすることだけは断言できますが(笑)
追記:最近、デパルマの「ファントム・オブ・パラダイス」を観てみたのですが、とりあえず冒頭のポップな感じに度肝を抜かれた(笑)
「サタデーナイト・フィーバー」か「ロッキー・ホラー・ショー」か。
そして「トータルリコール」か「バットマン」か!(笑)
突っ込みどころ満載でした(笑)
顔写真がある方がアピール力があると言われたので、おそるおそる小さく写真を載せてみました。
こんな写真しかありません。
しかもカットの仕方もわからなかったので、中途半端に縦長なのが気になります。
再チャレンジ?
大丈夫なんでしょうか。
様子を見て不安になったら、すぐに削除しようと思っています。
そういえば、昨日初めてブログランキングというものを見てみました。
結果、875位 (昨日:817位) / 6865人中。
低!
4年もブログやってて、この不甲斐なさはどうしたものか。
もうちょい頑張らないと、やりがいがない……
やっぱ、マイナーものに絞って変なブログに徹するか、それとも正統派路線で行くか。
的を絞りきれてないのが、まずいのかな(-。-)
まあ、気ままな感じで細々と続いていきそうな気配です。
The Night of the Hunter 1955年 チャールズ・ロートン
怪演俳優、チャールズ・ロートンの撮った唯一の映画。
ということで、これは見逃せないと思い鑑賞。
ディヴィス・グラッブという作家の原作ものです。
「羊の皮を被った偽の伝道師を見分けよ。悪い木にいい実は実らない。逆もしかり。いい木に悪い実は実らない。その果実で彼らの真偽を確かめるのだ。」
物語を象徴する聖書の言葉の引用から始まる本作。
人間の業、信仰心、欲望、あらゆる要素が詰め込まれた意欲作です。
舞台は1930年代、大恐慌の最中。
冒頭、女性の死体を子供たちが発見する場面。
この時点でうむを言わせず、物語は強引に観客を引きこみます。
主人公の少年ジョンの父親は無職。
彼は2人の幼い子供のためと、強盗殺人を犯す。
そして、ジョンは目の前で父が警察に連行されるところを目撃する。
父は絞首刑となった。
「どんなことがあっても、妹のパールを守り抜け。金のありかは母親にも言うな。」
父の残した言葉を胸に刻んだジョンは、父との約束を生涯守ると誓う。
そこに現れた伝道師を名乗るパウエルという男。
彼は父親の最期を獄中で看取ったと言い、心配で家族に会いに来たという。
男の両手の指には「love」と「hate」の入れ墨があった。
突如、未亡人になったジョンの母、ウィラは男手を求めていた。
女だけではこの先、2人の子供を抱えてやっていけない。
切羽詰まった彼女は、母親の後押しで出会ってすぐのパウエルと再婚する。
ジョンは幼いながら、パウエルが父の残した金を狙っていることに気づいていた。
しかし母は息子のジョンより夫の言葉を信じる。
ウィラはパウエルの巧みな話術によって洗脳され、彼の言うことを聞くことが自らを正しい道に導くのだと思い込んでしまっていた。
パウエルの言葉はすべて神の言葉なのだと。
やがて男の本性が見えた時には、もう遅く…
女は弱いですね。
心の隙につけこまれていいように利用され、利用価値がなくなれば、あっさり捨てられる。
彼女は夫の死によって正常な判断ができなくなり、寂しさを埋めるために心のよりどころを求めた結果、とんでもない悪人を引き寄せてしまった。
彼女は正直、パウエルでなくても男なら誰でもいいという心境だったのかもしれません。
そして、その後のジョンの逃走劇が壮絶。
パウエルに執念深く追われながらも、健気に幼い妹を守り抜きます。
命がけで父との約束であるお金を守り続けたのに、パウエルが目の前で警察に取り押さえられるのを見た途端、彼の脳裏には同じように父が目の前で拘束された記憶が甦ってしまい…
人間の心とは、こういうものなのか。
あれほど憎んだ男なのに、理屈では説明できない情が沸いてくる。
それにしても何の罪もない幼い子供に、これほど過酷な試練を与えるとは神は残酷である。
キリスト教世界の神の沈黙に対する問いかけ、それでも信仰を捨てなければ人は必ず救われる。
そういった思想を反映した物語なのかもしれません。
話変わって、この映画の冒頭にリリアン・ギッシュが出てきたので、すごく驚きました。
サイレント時代の大物女優ではないか!
といっても、彼女の若いころの主演作は「散り行く花」しか観ていません…
が、生涯女優だったのか「許されざる者」でも、オードリー・ヘップバーンの母親役で出演していました。
そして、いつも私が気にする映画のタイトルですが、観る前は「なんだ、このタイトルは…」と思ったのですが、なるほど。後半を観て納得。
リリアン・ギッシュがいいとこどりです。
と言うと失礼かな……
そして、この映画の中で一番気になったことは、ロバート・ミッチャムの演技が大げさすぎるところ。
子供たちを追う地下室での演技は、ちょっと……
やりすぎ!
舞台俳優か!
わざとそういう演出?
たぶん、わざとだろうけれども!
そして、憎たらしすぎる!
胡散臭すぎる!(笑)
あ、でもこの演技はものすごく評価を得ているようです。
確かにこんなにも憎たらしく、かつ胡散臭く見えるのは、彼のすばらしい演技力があってこそのものでしょう。
彼はこの後主演した「恐怖の岬」でも同じように執念深いストーカーを演じています。
そっちの方はそんなにくどい演技だとは思わなかったが…
しかしジョンにしてもレイチェルにしても、どんな状況に追い込まれても、限界まで自ら銃を持ち戦い、決してギリギリまで警察に頼らないのはアメリカならではの感覚。
誰にも頼れないから、自分の身は自分で守る。
ジョンは幼いながらに、これをよく理解している。
最後にジョンは住む家を見つける訳ですが、この先彼らはどうなっていくのかもわからない。
救いのある結末ではありますが、決して後味はよくありません。
冷たい映画です。
ロバート・ミッチャムの大げさすぎる演技だけは難ですが、チャールズ・ロートンが俳優業を超えて、わざわざ作った映画ということで、観た甲斐がありました。
いい映画です。
私が宗教絡みの映画が好きだからかもしれません。
ロバート・ミッチャムのイメージがダウンすることだけは断言できますが(笑)
追記:最近、デパルマの「ファントム・オブ・パラダイス」を観てみたのですが、とりあえず冒頭のポップな感じに度肝を抜かれた(笑)
「サタデーナイト・フィーバー」か「ロッキー・ホラー・ショー」か。
そして「トータルリコール」か「バットマン」か!(笑)
突っ込みどころ満載でした(笑)
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コメントの投稿
初めまして。サマンサどら猫と申します。飼い猫の名前をブログ名にしています。ところで、マイ・ブログへのご訪問ありがとうございました。
ロバート・ミッチャム、あー懐かしいなあ、笑い。チャールズ・ロートンの作った映画ですか?希少価値がありますねえ。一度探してみます。
今は、レンタル・ショップで気に入ったものを観て楽しんでいます。マカロニ・ウエスタンやミニシアター系、話題になった映画など。
ロバート・ミッチャム、あー懐かしいなあ、笑い。チャールズ・ロートンの作った映画ですか?希少価値がありますねえ。一度探してみます。
今は、レンタル・ショップで気に入ったものを観て楽しんでいます。マカロニ・ウエスタンやミニシアター系、話題になった映画など。
書き忘れてました。ランキングは気にしてません。ブログも書いては消し、書いては消しですから、笑い。少し前は、和書・本と雑誌のランキングに登録してましたから。
まあ、備忘録感覚?に近いと思ってます。
まあ、備忘録感覚?に近いと思ってます。
Re: タイトルなし
コメントありがとうございます(^o^)/
ロバート・ミッチャム、この作品に限らず、存在がくどいですよね(笑)
レンタルショップ、マカロニウエスタンなんかの品ぞろえもあるんですか?
私は現在は、地味にBSで放送してくれるものの中から、
興味のあるものを見るという、受け身スタイルです。
備忘録ですか…
私は備忘録というより、むしろ、
ブログに書きたいのに、内容の詳細を覚えてなくて、書けないものも多いです(;´∀`)
ロバート・ミッチャム、この作品に限らず、存在がくどいですよね(笑)
レンタルショップ、マカロニウエスタンなんかの品ぞろえもあるんですか?
私は現在は、地味にBSで放送してくれるものの中から、
興味のあるものを見るという、受け身スタイルです。
備忘録ですか…
私は備忘録というより、むしろ、
ブログに書きたいのに、内容の詳細を覚えてなくて、書けないものも多いです(;´∀`)
行きつけのレンタルショップは大型書店の2階にあります。1階は文房具と本売り場。準新作で、マカロニウエスタンもの、懐かしの名画、ミニシアター系のものetc。品揃えは結構豊富です。
私は、簡単なメモをとっているので、割合楽に再構成ができます。我が家は、BSやWOWWOWは契約してません。なので、DVD派に徹しているわけですw-、笑い。
私は、簡単なメモをとっているので、割合楽に再構成ができます。我が家は、BSやWOWWOWは契約してません。なので、DVD派に徹しているわけですw-、笑い。
Re: タイトルなし
書店と一体化してると、一度に本も見られて便利ですね!
懐かしの名画があるなんて、うらやましい…
私は以前は、WOWOWに加入してたんですけど、あまりの膨大な放送量が苦痛すぎて、解約しました…(´Д`)
なので、今は微妙なNHKセレクトを見るだけで、映画ウォッチャーとしての進歩がないです(;´∀`)
「情婦マノン」を、ずっと見たくて、NHKが放送してくれるのを、地味に待っています(笑)
懐かしの名画があるなんて、うらやましい…
私は以前は、WOWOWに加入してたんですけど、あまりの膨大な放送量が苦痛すぎて、解約しました…(´Д`)
なので、今は微妙なNHKセレクトを見るだけで、映画ウォッチャーとしての進歩がないです(;´∀`)
「情婦マノン」を、ずっと見たくて、NHKが放送してくれるのを、地味に待っています(笑)