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時計じかけのオレンジ

A Clockwork Orange   1972年
スタンリー・キューブリック


なぜか、ずっと後回しにしてきたこの作品。

これ、映画見ない人でも知ってるくらいの超メジャー作品ですけど、私は今までの映画人生の中でこの作品は常にベスト20以内に入っているくらい好きなんです。

むしろその辺の中途半端なファンと一緒にされたくないくらい気合いの入ったファンです。

元々キューブリック好きですが、この作品の強烈なインパクト、初めて見たときの雷に打たれたような感覚は言葉にするのが難しいです。

冒頭からカッコよすぎてやられました。

とにかく映像、音楽、言葉、ファッション、インテリア、全てが完璧で非の打ちどころがなく、これ以上の出来は想像できません。

最強の映画です。

「ロシュフォールの恋人たち」が女的な視点で完璧な映画だとしたら、 こちら「時計じかけのオレンジ」は男的な視点で完璧な映画だと思います。


舞台は近未来のロンドン。

毎晩、仲間とつるんでは暴力、ドラッグ、セックスに明け暮れる15歳のアレックス。

彼には良心など、これっぽっちもない。

ホームレスの老人を暴行し、敵対するグループと乱闘、屋敷に押し入って女を強姦する。

そして家に帰り、大好きなベートーヴェンの第九を聞く。

それが彼の日課だった。

そんなある日、いつものように、ある屋敷に強盗に入ったアレックスたちだったが、屋敷の女主人を殺してしまい、アレックスだけが逮捕される。

とにかく早く刑務所から出たいアレックスは模範囚を装って神父に近づき、刑期短縮と引き換えにルドヴィコ療法を受けることになる。

ルドヴィコ療法とはベートーヴェンの第九を聞きながら、延々と強制的に残虐な暴力映像を見続けさせられるというものだった。

治療は成功し、アレックスはベートーヴェンの第九を聞くと吐き気を催す体になってしまう。

そして彼は出所するのだが、刑務所を出た瞬間にアレックスを待ち受けていたのは、過去からの復讐だった。

今までの行いを考えると自業自得だが、ひどい目に遭うアレックスが不思議なほどにかわいそうに見えてしまう。

彼は自らの意志とは関係なく、ただ体が暴力的な行為を拒絶するようになってしまったわけだが、たとえ人為的に去勢されても本性は変わらない。

むしろ自分の状況を逆手に取ってしまうしたたかさは健在で、最終的にアレックスは以前よりさらにパワーアップしたのではないかと思わせる結末です。

凶悪犯罪者は遺伝子によるものなので、絶対に更正することはありません。

平気で暴力行為を行うことができる人間は、貧しさから窃盗を犯してしまったようなタイプの犯罪者とは全く質が違います。

暴力的な犯罪を犯すのは大半が男なわけですが、これは男性ホルモンのテストステロン値の高さが影響するのだそうです。

ヤクザ、警察官は精神的な方向性は全く逆ですが、ケンカ好きで好戦的なのは両者ともテストステロン値が高いからですね。

少し現実的な話になってしまいましたが……

この作品はまさに良心のない攻撃的な人格のアレックスを人間味豊かに描いています。

彼が「雨に唄えば」を歌うシーンが2か所ありますが、 あれはキューブリックが主演のマルコム・マクダウェルに即興で歌わせたんだそうです。

まさかここで「雨に唄えば」に出くわすとは……

この曲をチョイスしたマルコム・マクダウェルのセンスにも驚きますが、なぜかこの曲がこんな暴力的な作品に不思議なほどに馴染んでいます。

エンディングで本家本元のジーン・ケリーの「雨に唄えば」が流れますが、 これまた不思議なくらい違和感がありません。

というか、どういうこと?(笑)

ここが妙に馴染んでしまったため、困るのは「雨に唄えば」を見たときに「時計じかけ」がちらついてしまうこと。

この副産物をなんとかしてほしい(笑)

そして、この作品の成功を考える上で外せないのが、なんといっても日本語訳の素晴らしさ。

アレックスの「私」「俺」「僕」の使い分け。

それにアレックスが飛び降りたシーンの「ぶっ裂く」などの表現。

こんなおもしろい日本語訳は探してもなかなか見つからないです。

洋画の面白さって日本語訳にかかっていますから、一歩間違えればとてつもなく下らない映画になっていた危険もあるわけです。

とてつもなく下らなくはならないだろうけど、退屈な日本語訳によって作品を台無しにされた可能性は大いにあると思います。

あとはスラングというか、未来の若者言葉の翻訳も大変だったのでは?

観客にこの作品の魅力を最大限に引き出し、伝えてくれる訳者に敬意を表したいです。

この日本語訳のおかげでこの映画はさらに面白くなり、さらにパワーアップして極上のエンターテイメントになっています。

ここまで延々といろいろ言いましたが、 とにかくこの映画は全てが見どころだと言えます。

何度見直しても、すごいと思える映画です。

有名な作品なので、いちいち紹介するまでもないし、これ以上知られたくない気持ちも強い作品です。

キューブリックワールドの素晴らしい感性とこだわりに浸りきれる超一流のエンターテイメント作品です。
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なかなか映画の話が合う人がいないので、
ここに、好き勝手いろいろ書いていこうと思います。
いいと思った映画しか載せないので、
ここに書いているのは、全部お薦めです!
たまに映画から脱線していますが、気になった映画は是非見てください(^▽^)

※あくまで個人的に映画の感想を書いて楽しんでおりますので、匿名での中傷的なコメントはご遠慮下さい。

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