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エデンの東

East of Eden    1955年   エリア・カザン



旧約聖書をベースにした大作です。

1917年のアメリカの田舎町を舞台にした、カインとアベルの物語。




周囲の人間には「善人」と呼ばれる父に愛されずに育った主人公のキャル。

彼は死んだと聞かされていた母が生きていることを知る。

父に嫌われるキャルは、兄のアロンのように父に愛されようと努力し、父の事業を手伝っている。

しかし、事業は失敗して父は無一文に。

キャルは父のために密かにアメリカの戦争参戦を見据えて、豆で儲けようと考えていた。

そしてその資金の5000ドルを借りに酒場にいるという母に会いに行く。

聖人の如く聖書の考え方を押しつける父を嫌って出ていった母のケイトは、自分に似ているキャルを憎めずにお金を貸す。

一方、アロンは自分の恋人アブラがキャルと親しくなり始めたことに嫉妬し、キャルを憎むようになる。

アブラもアロンを愛しつつも、自分に100%の善人であることを求める彼に窮屈さを感じ、キャルに好意を持ち始めていた。

父の誕生日にキャルは、父のためにと思って稼いだお金を送るが、父は激怒。
戦争で儲けた金など返せと拒絶する。

そして、「アブラとの婚約がプレゼントだと言ったアロンのように、私を喜ばせたければ善人として生きろ」とキャルに言う。

追い打ちをかけるように、アロンは「お前は昔から悪人だ」とキャルに言い放つ。

憎しみの感情が沸点に達したキャルは、真実を見せてやるとアロンを母ケイトの所へ連れて行く。

母が生きていたと知り、ショックを受けたアロンは酒に酔っぱらって出兵し、父は脳梗塞で倒れる。

キャルは父の友人から、エデンの東に去ったカインのようにお前もここを出て行けと言われるのだが…


アブラは父親にキャルを愛してほしいと懇願するものの、あの父親は絶対にキャルを愛することはないでしょう。

正常な人間が見れば、キャルが純粋な善人で、父親やアロンは独善的で自分が正しいと思うことを他人にも強要する不寛容な偽善者に見えます。

子供を差別し、愛することに順番をつけるような親は許せません。

父親は出ていった妻に似ているキャルを嫌い、そのことでキャルの心は歪んでいった。

父が無一文になっても何もしなかったアロンに対して、「どっちが真の息子かはいずれわかる。」と言うキャルの台詞が全てを物語っています。

シェイクスピアの「リア王」と同じで、愛した息子には見捨てられ、憎んだ息子に助けられるという皮肉。
見る目がなかった父親の自業自得でしょう。
酷い扱いを受けた息子は、それでも父親を愛した。

それなのに、キャルに「両親の善悪の悪の部分だけを自分は受け継いだ」と言わせるほどに、父親は息子を追い込んでいます。

アロンを助けようと喧嘩に割って入ったキャルに、「アブラにいいところを見せたかったのか」なんて言うアロンの方が明らかに歪んでいますね。

キャルを演じたジェームズ・ディーンは映画初主演とは思えないほど存在感があり、役に命を吹き込んでいます。

「エデンの東」、「理由なき反抗」、「ジャイアンツ」と、たった三本の映画に主演しただけで亡くなってしまいました。

早逝したのが残念な俳優の一人ですね。

父親との関係に長年苦しんだキャルですが、親に愛されなかった子供は大人になっても心は満たされないままで、常に愛を求めるのだそうです。

この父親は本当は信仰心が強いのではなく、独善的な性格を信仰心と言い換えて他人に自分の考え方を押しつけているだけです。

親の過大なまでの要求に子供は苦しみ、やがてどこかの時点で悲劇が起きるのは避けられなかったのかもしれません。

この作品は人間同士の憎しみや対立、葛藤という重厚なテーマを繊細かつ丁寧に描写しています。

さすが、エリア・カザン監督といった必見の一本です。
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非公開コメント

おはようございます。

往年の名作と言われてますが、なかなか観る機会がなく今に至りますが、映画評を読みかなり気になる内容ですね。

ジェームズディーンの初主演作品と聞いてますが、やはり存在感のある作品なんですね。

ジャイアンツ、これもかなり気になる作品です。

ありがとうございます。

おはようございます。

こちらはエリア・カザン監督の中でも、

入魂の一作といった感じで、

機会があれば、ぜひ見ていただきたいです。

ジェームズ・ディーンは、大人になり切れない、

繊細な感性を持つ役がよく似合っています。

「理由なき反抗」は、少し子供じみた部分もありますが、

ロック・ハドソンとエリザベス・テイラー共演の、

「ジャイアンツも、よかったですよ♪
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Author:1018
なかなか映画の話が合う人がいないので、
ここに、好き勝手いろいろ書いていこうと思います。
いいと思った映画しか載せないので、
ここに書いているのは、全部お薦めです!
たまに映画から脱線していますが、気になった映画は是非見てください(^▽^)

※あくまで個人的に映画の感想を書いて楽しんでおりますので、匿名での中傷的なコメントはご遠慮下さい。

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